まど・みちおの詩に よかったなぁ があります。
よかったなぁ まど・みちお
よかったなぁ 草や木が
ぼくらの まわりに いてくれて
目のさめる みどりの葉っぱ
美しいものの代表 花
かぐわしい実
よかったなぁ 草や木が
何おく 何ちょう
もっと数かぎりなくいてくれて
どの ひとつひとつも
みんな めいめいに違っていてくれて
よかったなぁ 草や木が
どんなところにも いてくれて
鳥や けものや 虫や 人
何が訪ねるのをでも
そこで動かないで 待っていてくれて
ああ よかったなぁ 草や木がいつも
雨に洗われ
風にみがかれ
太陽にかがやいて きらきらと
一連から三連の意味は、行数や内容、技法が似て(反復・繰り返し)いるのでわかりやすいと思います。
でも、四連は三連までとの違いがいくつも見つかります。例えば四連の冒頭にだけ〈ああ〉がついていることです。この違いは何のために?〈ああ〉の有る無しでどのように意味が違ってくるだろうか?など。(経験則ですが、まどさんの詩は最終の連で難度が一気に上がることが多いと感じます。)
このような問いを読者のこどもたちが自ら発せられるだけの力を彼らにつけるため、明日11月16日で63歳になる私は、今も西郷文芸学・教育的認識論・授業づくり論・人権教育論などをコツコツ学ぶ生活を続けています。
2023.11.15