「レオ」の歌詞を読む

優里の代表曲のひとつ「レオ」

メロディや個性的な歌声などと歌詞のことばが響き合って切なさが高まり、知らず知らずのうちに、聞き手はレオに感情移入しています

歌を聴いた後、ココロにズンッとくるいい曲です

今回は歌詞のことばだけを取り上げて「レオ」について考えてみました

  レオ  優里    (数字は行番号です)

1ショーケースの中過ごしていた
2誰もかれもが過ぎ去っていた
3怖かったんだ あの日君に
4連れられるまでは
5僕と同じの小さな手
6転げまわり くすぐりあう僕ら
7こんなに君の事好きになってた
8どんなときでも傍に居て
9君が言うなら ああ
10名前はレオ 名前呼んでよ
11君がつけてくれた名前だから
12嬉しい時も悲しい時も
13傍に居ると決めた大事な人

 

14君が大きくなるほどに
15僕との時間は減るが道理
16遠くに君の友達同士
17仕方がないよなぁ
18最近つけるその香水
19鼻の利く僕にとっては辛いや
20今日も帰りは遅くなるんだろうか
21君が居ない部屋 夢を見る
22あの日のこと また
23名前はレオ 名前呼んでよ
24君がつけてくれた名前だから
25寂しいけれど 悲しいけれど
26傍に居ると決めた大事な人

 

27君が誰かと暮らすことを
28伝えに帰ってきた夜に
29撫でてくれたね きっとお別れだね
30最後にさ 会えたから ねぇ幸せだよ

 

31名前はレオ 名前呼んでよ
32君がつけてくれた名前だから
33もう泣かないでよ 名前呼んでよ
34あの日より大きな手で撫でてくれた
35名前はレオ 名前呼んでよ
36君がくれた名前で良かったよ
37忘れないでよ それでいいんだよ

38新しい誰かにまた名前つけて

 

①『君』の反復 3.7.9.11.14.16.21.24.27.32.36

全体の行数の約4分の1になります

反復される僕(レオ)から見た君の成長の語り方から、僕の君を見つめる眼差しの優しさを強く感じます

②僕にとって大事な君について、レオの目線で描かれ,その余白に聴き手が思いを書き入れることができる

例えば,君は男の子?女の子? 30の「さいご」を最期ではなく最後を用いたのはなぜだろうなどです

③君に届かないレオには大きな意味の『あの日』

これも3.22.34と3回、前中後に配置されています

レオの目線で全文が書かれているので、「君」がレオの気持ちを理解しているかどうかは不明です

でも、読み手はレオの気持ちはわかっています

『あの日』のレオにとっての意味を問われているのは私たちかもしれません

最後になりますが、38のレオのことばが、私には「ごんぎつね」の最後の場面のごんと重なってしまいます