一即一切(やまなし③)

いやあ〜世の中は広い!昨日のこのブログに書いた『矛盾』についてコメント欄に書き込まれた内容の的確さと深い読みの力に脱帽です。

投稿くださったkiramekituzuriさんは研究関係者・学校関係者ではないらしいです。それでもあのような文章を書かれるのですから。

これを機にブログで意見交換できたら嬉しいです。

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さて、青い幻橙なのにカラフルな色や動画になるなどなどつじつまの合わないこと(矛盾)をどう考えるかが今日の本題です。

昨年ここ「国語の教室」で学んだ一人の6年生の答えは、『人には青く静止画にしか見えないが、カニたちにはそのように見える』でした。

はじめは私、よく意味がわからなかったのですが、その子にいくつか尋ねて考えてみると、先ほどの意見の意味がだんだんとわかってきました。

それは、ひとつの中にすべては含まれるということです。例えば鮮やかな多色は一色の青に収れんされる。(なぜ青なのかは賢治論に関わる内容なのでここではふれません)

私たち読者はカニの視点から小さな谷川の底の世界を見ているのだから、人の目で見たら青一色で静止画であっても、カニには多色で動画に見えるのでそこに矛盾は無い。ということだと私は理解しました。

ああ、これを一即一切(一切即一)というのかもしれないなとも思い、しびれました。

自分の理解を超えた考えを教え子から学ぶという授業の醍醐味。このしびれるような感覚を味わうと授業が楽しくて仕方がなくなります。先生が生き生きして授業すれば、こどもたちは授業が面白くなり、結果として成績も上がることでしょう。

難教材「やまなし」だから先生にもこどもたちにも学びがたくさんある。これも矛盾していませんね。

                 2023.10.18