ここ数年、耳ざわりのよいキャッチコピーが巷に溢れています。
教育の世界も例外ではありません。私が最も危惧しているものは「教えない授業」です。若手の先生たちが飛びつく心情は理解できます。授業が未熟という自覚があり、何とかせねば‥‥と焦っているところに『教えなくていい。こどもたちの自主性を活かして協働学習させよう』などと悪魔に囁かれたら惑わされるのも無理ないからです。でもこのままではなあとジレンマを感じていたときに出会ったのが、『こどもの学び 教師の学び』〜斎藤喜博とヴィゴツキー派教育学〜宮崎清孝著 一茎書房です。
斎藤喜博?ヴィゴツキー⁇と多くの先生は思うでしょうが、この名前に惹かれて手に取りました。
この中に佐久間勝彦さんの社会科実践が何編か収められています。それがどれも素晴らしい内容でした。ぜひ佐久間さんの教科観や指導観にふれて、自身のそれらと比較してみてほしいです。
授業づくりはたしかに難しいですが、それだけにおもしろいと感じたり楽しめたりできると思えるでしょう。
水は高きから低い方へ流れます。教えない授業などSFに出てきそうなことばに惑わされず、本道を歩まれる先生が一人でも増えることを願います。
〈教師の積極的な働きかけがあってはじめてこどもの能動的自主的な学びが可能になる〉宮崎
同意します。
2023.10.10