昨日は月に二回しかない中学生との「国語の教室」の日でした。前日に中学一年の教科書を開いて予習。なにせ中学生と勉強するのは学生時代以来ですからね。(準備が9割はたぶん真実)
そのときに出会ったのが標題の「字のない葉書」という向田邦子さんのエッセイです。
ん?、字のない葉書⁇、なんだ?それ⁇ が第一印象でした。この時点で作者の仕掛けに乗ってしまったのですが、一読するともう胸がいっぱいになってしまい、途中から涙が止まりませんでした。
(あかんやん、これ。だってこのエッセイ、中学生にはわからんやろ。)
何が難しいって、厳格な父親が見せた我が子への不器用だけど純な愛への深い共感です。
学校では中学一年生と、この珠玉のエッセイをどのように学習しているのでしょうか。
本棚を調べてみると文庫本「向田邦子ベスト・エッセイ」があり、目次に「字のない葉書」が。
再読して思い出しました、井上ひさしの金言を。
難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことをおもしろく。
「字のない葉書」が丁寧に学ばれることを願っています。
付け足しです
終わりの2行の書き方は特に心に沁みました。
2023.10.08