あいさつには意味がある

みなさんは朝、家を出るとき「いってきます」と言いませんか。見送る家族は「いってらっしゃい」と声をかけてくれる。この声掛け(あいさつ)はお出かけ先(職場や学校など)は行く所であることを表しています。

そして行く所から家に戻るときは「いってきます」とは言わないですね(笑)「さよなら」や「帰ります」とあいさつを交わすでしょう。

そうなんです。家は帰る場所、戻る場所なのです。だから「ただいま戻りました」「ただいま帰りました」と言います。今は戻りましたや帰りましたが省略されて「ただいま」と短く言いますが。それに呼応して「お帰りなさい」と声がかかります。

この慣習がいつ頃から始まったのか、私は知りません。でも、ずいぶん昔から交わされてきたと想像はできます。これらのことばにはひとつひとつ大事な意味があると思うからです。

さて、何かと忙しい現代人は話しことばを短縮化する傾向にあります。それなりの理由はあるでしょうが、せめて「いってきます」「ただいま」「お帰りなさい」などなどのあいさつはこれ以上削らないで残したいものです。これらのことばは家族が交わすものですから。

昨今の家族間のいたましい事件や事故などの報道に接するたびにそう思います。日頃からどんな会話やことばが交わされていたのでしょうか。

ことばは生きてますよ。ことばを大事にすることは人を大事にすること。私はそう考えます。

                 2023.09.15