今週末から夏休みに入ります。定番の読書感想文に四苦八苦するこどもたちの姿が目に見えるようです。
なぜこどもたちは読書感想文を書くのが苦手なのでしょうか?答えは2つ考えられます。
①書き方を教わっていない(指導していない) ②日ごろ文章を書かない(書く基礎体力の低下)最近の小学3年4年5年6年生の作文指導からあと一つ理由を見つけました。それは・・・
③あらすじをまとめられない(要約力の低下)
このぐらいは学校で課題を整理し、ある程度トレーニングしてから読書感想文を宿題にしてほしいですね。後述しますが読書感想文を書くことはかなりハードルが高い学習です。
少し前に教科書教材「まいごのかぎ」を読んで感想を書いた3年生のノートを紹介しました。
いつ、どこで,誰が(中心人物が),何を、どうした を100字ぐらいでまとめた学習ノートです。(あらすじです)
中心人物りい子は不思議な出来事に何度も出会いますが、逐一書いていてはすぐに字数オーバーです。短くて的確なことばをこどもたちは考え,口々に話します。思いついたら即発言ですから彼らにとっては遊び感覚です。そのようななかで一人のこどもさんがふと口にした「冒険」を聞き逃さずこどもたちにフィードバック。考えあぐねていたこどもたちも「アーなるほど!」と納得して、りい子の体験を冒険と意味付け、共有したのでした。こういう過程を経て語彙が増えたりその質が上がったりするのでしょう。
読書感想文は読みながらや読了後に感じたり考えたりしたことを読み手に伝わるように1,200字程度にまとめたものです。
おもしろかった,かわいそうだった、感動したなどなど自分の気持ちを書き散らすものではありません。読書感想文と読書感動文の違いを先生方や大人のみなさんは認識しておくことが大事です。
そこで、先ほどの「まいごのかぎ」では考えを深めるために『もし自分だったら』という表現を使うことを約束事にしました。こどもたちのノートを見ると、もし〜の文型は同じでも、その後に続く文章や内容は一人ひとり違い個性があっておもしろかったです。
今回は何人かで同じ作品を読み、遊び感覚で意見を出し合い自分の文章に取り入れましたが、本番はそれらを一人でやらなくてはなりません。最大の難所です。
大人が想像する以上にハードルは高いのです。できれば親子で同じ本を読み、お子さんと話し合う機会があると、こどもさんの鉛筆の先から、カリカリ、さらさら、すらすらといった心地よい音が聞こえてきますよ。