読書感想文を書く 練習編①

いよいよ昨日から7月に入りました。あと2週間ほどで夏休みになります。

楽しい夏休みですが頭の痛いのが宿題です。そのなかでも二つの高い壁が自由研究と読書感想文です。どちらも普段学んでいないことに家庭で取り組むので,家族総出だったり、保護者さんが感想文を書いたりといった噂話を毎年耳にします。

国語の教室では開設した2年前から,この時期に教科書教材一編を共通課題図書とし、3年生から6年生が読書感想文の書き方を学び、実際に書いて来ました。

今回は光村図書3年「まいこのかぎ」というファンタジーです。

先週、4月から国語の教室に通っている、3年生のAくんが一次感想文を書きました。

みなさんはこの感想文をどう評価されますか。

ご意見やご感想などありましたらコメント欄からお寄せください。

小3  A くんの一次感想文

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1粒で2度おいしい⁇

先日、かかりつけの歯医者さんから電話がかかってきました。(概略は次の通りです)

「◯◯日に治療の予約をいただいております。実はその日にキャンセルがあり、歯科衛生士さんの予約が取れるようになりました。一回の来院で歯のお掃除と治療がすみます。いかがですか。」

これは願ったりかなったりと考えた私はスマホに向かって明るくさわやかにお答えしました。

『それはありがたいお話です。1粒で2度おいしいグリコアーモンドキャラメルみたいな感じですね。

「•••⁇」

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この受付さんとは明らかにジェネレーションギャップあり!と笑われそうですが、こういう体験を何度かすると、比喩を使って気持ちや思いを伝えることを躊躇してしまいます。

似たようなケースに

『あたり前田のクラッカー』

があります。

それって誰が知ってるの?ぐらいなレベルと思っていましたら、なんとスーパーで売ってました。先ほどのコピー付きで。

筋を通して数十年販売している前田製菓さんに脱帽です。

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「レオ」のお試し授業

6月15日に予定している「国語の教室」大人版での「レオ」の提案模擬授業にむけて、本日、3456年生のこどもにmy planでお試しの授業をしました。

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今日見えてきた下記課題①②を整理して、15日の学習会に臨もうと思います。

①僕(レオ)の目線で語られている歌詞なのでレオの気持ちは理解できましたが、そのときのレオをなかなか対象化できなかったです。

※視点人物への同化はしやすいですが、異化することは思った以上に難しいということです。

同化した人物から離れて脇から見るという学習をほとんどしてこなかったことが、その理由のひとつと考えられます。

問A『…なレオに声をかけてあげて。』

物語の世界に読者を引き入れ、その世界に立たせて考えるトレーニングの積み重ねが必要です。

問B『もしあなたがこの物語の世界にいたとして、…なレオにどのような声をかけてあげますか。』

思いつきやひらめきではなく、歌詞のことばを根拠に考えることが大事なので、少なくとも5.6年生以上の学習課題となるでしょう。

 

②ことばの言い換えによって、意図した新しい語句を蓄えることです。

こどもたちはほんとにことばを知りません。

例えば、「かわいそうに」に近いことばをいくつあげられるでしょうか。

切ない、不憫、もどかしい 他

自分の考えや気持ちや思いを過不足なく言語化する力は、これまでも・今も・これからも必要です。

 

「レオ」は国語学習としてだけでなく、犬猫保護活動の学習から「いのち」について考えたり、名前がもつ意味を認識して自分たちの生活を見つめ直したりと、どんどん学習が発展していく可能性を秘めた題材だと思います。

教科書教材だけでなく、自分がおもしろい‼︎と思った題材を見つけて、教材に加工して、授業してみるとこれまでとは違う新しい「教室の景色」が見られるかもしれません。

ぜひチャレンジしてみてください。

私もチャレンジしてみます。

kiramekituzuriさんへ

おはようございます。

いつも丁寧なコメントをお寄せくださり,ありがとうございます。最近は本業が忙しくなって、ブログの記事を書く余裕がなくて久しぶりの投稿になりました。

本日はコメントへのお返事を本編でさせていただきます。

昨日の国語の教室でこどもたち(456年生)に問いました。

『昨日の雨は誰かと歌ってたのかな』

「あれは歌じゃないよ。ごうごうしてて」

「あれは叫びやな。ムンク😱みたいな」 

「いやっ、あれはロックやわ」

概略は上記の通りです。

歌にはならないだろうと予想していましたが、

音と歌の二分法ではなく「叫び」や、まさかまさかの「ロック」(歌)と意味付けてくるとは…。びっくり‼️でした。

こどもはだから面白い(^O^)

 

以上です。

コメントへのお返事にかえて。

昨日の大雨は誰と…

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小学2年生の国語教科書に掲載の詩『雨のうた』(つるみ まさお)です。

詩を読む際には音読をお勧めします。特に、この詩のようにリズムのある詩を学ぶときは必須の言語活動です。

余談ですが、先生方や保護者のみなさんはこどもたちに次のようによく言います。

もっと本を読みなさい。」   

このときの本のジャンルは、概ね物語をイメージしているでしょうね。ですから、こどもたちの多くは詩集を知りません。見たことも手にしたことも、ましてや読んだことなどありません。詩と触れ合う機会は教科書だけというこどもはたいへん多いのです。

雨は誰かと何かとふれあい、音を立てます。その音にいくつかの縁(条件)が揃ったとき、音は『うた』に変わっていきます。

この詩に出てくる雨は、後連の声喩から小雨を想像できます。とんとん、ぴちぴち•••とはずむようなリズムが4回繰り返されることで、音読していると楽しくなってきます。

では、昨日の大雨は誰と,何と,どのように触れ合ったのでしょうか。あの大雨は音を立てましたが,誰かと一緒にうたをうたっていたのでしょうか。

こんなことを考えるとすれば、2年生では難しいです。5年生か6年生ぐらいの課題かなと私は考えます。 

雨の一字以外はすべてひらがなでできている詩だから低学年向きなどと即決しないで、まずは大人の私たちが詩を音読して味わうことから始めてみたらどうでしょう。先生が面白い!と感じた学習はこどもたちも面白がってとりくみます。(あくまでも経験則です笑)

 

6月15日(土)13時

今日は大雨に留意ください。自分の命は自分で守りましょう。

 

話は変わりますが、私は1960年代の生まれです。

私たち世代が新卒で教職に就いた頃はまだ教職員組合の運動や活動が今よりも盛んな時期でした。

職員組合の大きな活動の一つに教育研究集会、いわゆる教研集会があります。

私が勤務していた地域の教育研究集会には

父母と進める分科会」がありました。

意見や考え方は違っても、保護者や市民の皆さんとつながりながら教育運動を展開するという、今から思えば創造的で意欲的な取り組みでした。

しかし、組合員数が年々減少している現在は、各地で教研集会の開催が難しくなってきています。

私は国語の教室という学習会を毎月一回開いています。参加者は今のところ若手の先生たちですが、国語の学習をしたい方なら誰でもwelcomeです。一般の方と教職員の皆さんが交流できる場にしたいからです。

そして3年目を迎えた今年度、ついに参加希望の方が現れました。 

『こども3人育てるうちに、親も一緒に勉強する必要があると思いました。私も参加して学びたい。楽しみです』というメッセージをいただいたのです。

次回6月15日(土)13時〜15時の学習会に来られる予定です。

さあ,どのような学習会になるでしょうか。

模擬授業の形式で、教材は優里の「レオ」を予定しています。

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色々な方面へのアンチテーゼの意味を込めた

提案授業です。今からワクワクしています。

「漢字と作文が苦手です」

 

と、3月に開いた国語の教室説明会で、保護者さんがお話しになったAさん(現6年)が3月の初めに書いた作文①です。所要時間10分です。

友だちとパスタを食べに行きました。ぼくは子ども用のパスタを3つ食べ、その後みんなでじゃんけんやわりばしばつゲームつきのじゃんけんなど

 

その後、彼は週2回ずつ休まずに国語の教室へ通い学習を続けました。4月の終わりに書いたAさんの作文②です。所要時間10分です。

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「もー。」

雨の日だった。友達と帰っていると、つるつるしているマンホールの上ですべってしまった。まるで川に流される魚のような姿になって、腹をかかえてゲラゲラ笑われてしまった。ぼくはりんごのようにほっぺふくらませて友達をにらんだ。だが、大笑いしている友達の様子を見て、自分も笑ってしまう。そこから立ち上がり一緒に笑いながら帰った。

①と②を比較すると作文の質が違うことがわかります。みなさんはどのような違いがあると思われますか。

②を書くときに私が指示したことは一つです。

直近の二つの学習内容を使うこと

1.書き出しの工夫 

2.擬態語、擬声語を含む比喩の使用

作文を書き終えたAさんに、自分が書いた二つの作文を読み比べてもらいました。自分が書いたの

に、その違いに驚いていました。

作文に苦手意識を抱いていただけに、

これを機に、自分なりに少しでも自信を持ってくれるといいなと思います。

ところで、Aさんは漢字も苦手だったはずなのですが、②はけっこう漢字を使っていると思いませんか?

このことを含めて、次号でこどもを伸ばす評価の大切さ、作文のおもしろさなどについて述べる予定です。