二つのことば

私が『なるほど!そうか!』と思って大事にしている言葉が幾つかあります。

そのひとつに科学者 福岡伸一

『変わらないために変わり続けなければならない』があります。初めてコレを一読したときは⁇状態でした。                ある日このことばに次のようなことばを補ってみたらスッキリしました。

『(大きく)変わらないために

(小さく)変わり続けなければならない』

ところで、今朝YouTubeを見ていたら俳優 武田鉄矢が次のようなことばを述べていました。

『武士は戦に臨み、心が動揺していては体が動かない。だから心を鍛えるために平時に何気ない出来事を見つめ、小さな驚きを発見し、それをことばに出していたらしい。それを繰り返すことで動揺しない心へと鍛えていった。

①変わらないために変わり続けなければならない

②いざというとき心を動かさないために日々心を小さく動かす

どちらも逆説的なことばですが、世の中を一方向からのみ見ていては解釈や意味づけが単純で浅いものになりやすく、場合によっては誤りもあります。

進むべき道に迷ったり、問題解決に行きづまったりしたとき、私は物理学者 板倉聖宣

『◯◯なのにといったら、◯◯だから』

を思い出します。

①②もその考え方に通じるから心に残っているのでしょう。

最後に問題です。上の◯にことば入れてください。

注 前後の◯◯には同じことばが入ります。

例  1年生なのに忘れ物しないね。いえ、1年生だからですよ。

3776 コレは

日本一高い山 f:id:takehasinayaka:20241027095715j:image

富士山の高さです。3,776mあります。高さに目が行きやすいですが、この高さを支えているのは裾野の広さなのです。裾野が狭い山は高さを生み出せません。

このことを野球に当てはめて考えてみましょう。裾野の広さ=部員の人数 高さ=チーム力と仮定し、部員数が多いとチーム力が上がるという仮説をたてます。これは成り立つのか、成り立たないのか。どちらだと思いますか?

実はその答えを明らかにするために、もう何年も前からIBS(地域の小学生野球チーム)はチャレンジしているのではないですか。そのひとつが昨日と本日の野球教室です。個人的に体験してもらうだけで終わらないで、学校の教室と同じように野球が好きなこどもが集まって仲間としてかかわったり、プレイが上手になるように指導してもらったりして、IBSへの関心を持ってもらうことをめざしているのだなと私は勝手に想像しています。(教室というネーミングがいいなぁ。)実際に野球教室へ来て体験し入部を決めた人はたくさんいるのでないかしら。

そしてIBSの魅力にひかれて入部してくれた人たちを学校の枠を超えて仲間として温かく迎え、今日から切磋琢磨する友だちになったことをお互いにお祝いするのが明日予定されている背番号授与式なのでしょう。

このようにひとつひとつの行事の意味を考え、大事にして裾野を広げてきたことも、他のチームから注目される現在のIBSのチーム力を育んできた理由のひとつだろうと思います。

(インスタのフォローワー数2220以上は普通ではありません)

26日27日の大切な行事が温かく元気に行われ、新しい仲間(友だち)がさらに増えるといいですね。

壁を階段にスロープに

2024年度の国語の教室が始まって9月末で半年が終わります。新しく4月当初から学習に参加したこどもさんたちは国語の学習に壁を感じていました。4月当初の3つの壁です。①漢字の読み書きが苦手②作文を書くのがイヤ③読書感想文が書けない

彼らは壁の向こう側に行きたくて勢いをつけてよじ登ろうとしてきましたが、そびえる高い壁に何度も跳ね返されて来たのでした。

こどもたちには高くて固い壁に見えていますが、実はそうではないのです。高さは変わらなくても壁の素材は熱を与えると柔らかくなり再加工できるのです。

このそびえる壁を階段に作り替えられたらどうでしょう。いっそのことスロープにできたら。

階段やスロープならば、のぼり続ける気力と体力があればある高みまでは到達できます。この理屈がわかったこどもは自分でやる気に点火します。そして熱量を高めた学習を始めます。熱を自分で高め壁に向かって行くのですが、階段やスロープに作り直すにはある程度の理論や技術とコツなどが不可欠です。それらを学ぶには精通した指導者に教わることが大切です。手あたりしだいではゴールする前に倒れてしまいますから。


f:id:takehasinayaka:20240928113142j:image

f:id:takehasinayaka:20240928113145j:image

f:id:takehasinayaka:20240928113149j:image

f:id:takehasinayaka:20240928113137j:image

国語の教室で現在学んでいるこどもたちは一学期の学習の手ごたえを感じ、学びを終え卒業したこどもたちは自信をもって、それぞれ学習に励み成果を上げています。さらに、国語の理解が深くなるに連れて、他の教科の成績も伸びるという仮説を証明してくれてもいます。壁を階段やスロープにかえ、胸を張って前へ➡️上へ↗️と歩んで行くたくましいこどもたちです。

彼等の日々伸びて行く姿や素敵な表情を見ると、パーキンソン病の私も元気をもらってリハビリに励む熱量が高まります。今日も現場復帰をめざしてリハビリがんばってきます!!

壁を階段にスロープに

 

負けて覚える相撲かな

ある少年野球チームへのエール

みなさんの活躍を遠くから観ていて気づいたことがあります。それはみなさんの野球の楽しみ方が変わってきていることです。

入部した頃はたとえあまり上手くなくてもみなさんは野球をするだけで十分楽しかったのではなかったかな。

中学年のころは、試合をしたい、試合に出たい、試合に勝ちたいというふうに楽しみかたが変わります。そのため一生懸命に練習してうまくなっていきました。上手くなる楽しみかな。

高学年になると強いチームが多くなり、なかなか思うように勝てない試合がつづきました。それでも休まず練習、練習、また練習の日々。

そしてある日、ついに「雨垂れ石を穿つ」。どんどん勝ち進んで今があります。

現在はさらにレベルの高いチームとの対戦が増えて、勝ったリ負けたりしてますが、このレベルとの対戦は負けて学ぶことが多いと、おじさんは考えています。

例えば、h少年野球部さんとの試合後のミーティングで、メンバーから「強かったし、楽しく野球してた。」という感想が出たそうです。このことばの裏には「相手チームは楽しそうに野球してるなぁ、いいなぁ、自分たちもそうなりたいな」という気持ちがありそうです。

つまり、試合に負けた悔しさからゲームを振り返るのではなく、相手チームをリスペクトし、相手チームから学ぶ気持ちを持って観ているのです。

ずいぶん変わったなと思いませんか。強いチームと切磋琢磨する繰り返しによって、一人ひとりの心が柔らかく豊かになっているように感じるのは、おじさんの勘違いだろうか。

大相撲のある元横綱は次のように語っています。

相撲は負けて覚えるもの。勝って覚える相撲はどこにもない。』

勝ち負けは時の運。今は強いチームと精一杯戦うことだけに集中し、明るく元気に、そして大きな声を掛け合ってチーム全員で全力で野球をしてくれたらいいなと遠くから願っています。 

『レオ』の授業 実践報告

9月21日13時から、国語の教室9月例会を行いました。今日のメインは優里の『レオ』を国語の学習として授業されたM先生からの実践報告です。

6年生のこどもたちが積極的に発言したり、根拠となることばや表現から発問の答えを考えたり、歌詞の内容を深く意味付けたりしたいい授業でした。授業が終わってもこどもたちから「もっと続けて勉強したい」という声があがるのは授業(者)への最大級の賛辞です。

私が学んだ文芸学者 西郷竹彦先生はよくおっしゃいました。上手い授業ではなくいい授業を めざしなさいと。西郷先生のこのことばを思い出させてくれたレポートでした。

特に、①教材内容  ②教科内容  ③教育内容の区分けを明確にして軸のブレない授業の構造が見事でした。

最後は『レオ』の keyword 名前への認識を深めるために絵本『なまえのないねこ』(竹下文子)の読み聞かせをし、しっとりと授業を終えたそうです。

f:id:takehasinayaka:20240922073032j:image

6年生は誰にもある名前についての認識を深め、4年目のM先生は授業づくりのおもしろさに気づき、手ごたえを感じた授業として、一人ひとりがココロの思い出のアルバムに残しておいてほしいなと思います。

M先生の振り返り

根っこの大切さ

今日は『レオ』の実践報告の場をもらい、私自身の振り返りにもなりました。この学習会で先生から教えてもらってきたことを見よう見まねでやって手応えがありました。それは、自分が伝えたいことがはっきりしていたことによるものだと思います。授業でこちらが意図を持って準備することは大切ですが、根っこの部分がしっかりしていると自信を持って指導が出来ることを実感しました。

今回の実践を踏まえて、今後の授業研究では自分が何を伝えたいかを意識して取り組みたいと思います。

※  M先生の言う「根っこ」とは⁈

 

 

ある少年野球チームへの投稿 9.21

事実は存在しない存在するのは解釈である

コレはドイツの哲学者ニーチェのことばです
今日の記事はこのことばの意味を具体的にわかりやすく伝えてくれています。

私は試合の結果や経過も知りたいですが、それ以上に記事を書く筆者さんがそれらをどのように解釈されたのかにも関心があります。9月1日の記事を書いた方が今回と同じ方なのかはわかりませんが、これらの内容、表現、ことばの選び方などは必ずこどもたちを勇気づけ、ココロとカラダの成長を促すと確信しました。このように試合や練習の様子を見つめ愛情ある解釈を一人ひとりがなさって行くにつれて、チームIBSはますます素晴らしいチームに発展して行くでしょう。IBSの成長を楽しみにしています。

ある少年野球チームへの投稿 9.20

強いチームはなぜ「明るい」のか

これは最近私が読んで「なるほど」「そうか!」という感想を持った本の書名です。

(吉岡眞司 幻冬舎新書
本の帯には次の表現があります
・成果を挙げているチームの共通点は「明るさ」
・前向きな言葉、動作、表情で、脳に肯定的な 錯覚を起こす
・明るいチームでこそ自分で考え動ける人が育つ


この本は昨年の夏に甲子園で優勝した慶應義塾高校の舞台裏にあるメンタルトレーニングについてまとめられています。
毎週のように行われる公式戦ですが、ブログを読む限りでは苦しい展開のゲームが多いように思われます。
黒星が多くなると目の前の白星を取りに行きたくなるのは人情でしょう。

①力まかせに勝ちに行くもよし。
②日ごろからのメンタルトレーニングを活かしてゲームに臨むもよし。
結果として②>①になる可能性が高いと経験則から判断したのですが、この本から脳の働きに基づく理由があることがわかり目からウロコでした。
IBSも白星がほしいのは当然ですが、そこだけに力を傾けるとかえって黒星を呼び込みやすくならないかとハラハラしながらブログの記事を読んでいます。
107年ぶりに甲子園優勝の慶應義塾高校は対戦相手のファインプレイにも拍手するそうです。これは試合後のあいさつに来たIBSメンバーに負けたチームの監督さんやコーチからうれしい言葉をいただいたエピソードに通じることと思いました。このチームがこの野球観や試合についての解釈をもちながらこどもたちへの指導を続けたら数年後にはとても強いチームに成長していると予想します。
勝てばうれしいですし楽しいです。でも楽しさはそれだけではないと思うのです。それはなんだろうとご家族の皆さんで話してみることは、ゲームでこどもさんがチカラを発揮する糸口になるかもしれません。
試合には勝ちに行くのではなく、明るく練習の成果を試す場として臨んでほしいなと一ファンは願っています。白星は結果としてついてくるのではないかなとも思います。